土地は公共財

みなさま、おはようございます。

本日は、今朝の日経新聞の斉藤論説委員の記事からです。

斉藤さんの記事によりますと、所有者不明土地は海外ではあまり見られず、

日本特有の問題とのことです。明治の地租改正以来、1筆の土地に所有者が一人(一地一主)としてましたが、

土地の資産価値の高まりを受け、土地の分割や共有が進み、今や2億筆を超えるほどになったとのことです。

日本のほど同じ面積のドイツは6000万筆、1.5倍のフランスあが1億筆され、細分化が著しいことがうかがえます。

司法書士総合研究所の石田主任研究員によると、世界は許可制度が大半であり、土地の分割や所有権の共有

が簡単に行われる国は珍しいとのことです。

古来日本も、律令期は公地制で、1300年前より聖武天皇が農民の耕作意欲を促すために私有を

認めてから、幕府・藩の所有を経て明治政府が再び公地制に戻し、地租改正で私人に所有権を

認め、土地担保の資金調達で経済活動を促すなどの理由で公地思想は揺れているとの指摘です。

土地に対して、国家が持つ権限・責任と私人がもつ権利・義務の関係があいまいと

慶応大学の松尾教授は指摘します。

現在の保有形態は民間52%、国23%、自治体8%となっていて、人口減少に伴い

相続放棄した土地、所有者不明土地の公的管理は必要であるとの論説委員の主張は

興味深い話であります。


投稿日:2021/04/21   投稿者:道場 肇